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翌日、カガリは学校に着くなり朝一でラクスの元へと出向いた
普段必要な時以外は4階の音楽準備室で過ごす彼女の所へ
カガリは生徒がいるにもかかわらず階段を二段抜かしで駆け上がる



「おはようございます!!ラクス先生!!」
「まぁ、アスハ先生 おはようございます」



ドアを開けるなりカガリは大きな声で挨拶をする
息を切らしながら仁王立ちするカガリにラクスは目を丸くする



「どうなさったんです?」



ラクスは聞きながら隣りの椅子へと促した



「あ、あのっラクス先生に聞きたいことがあるんです」



静かにドアを閉め、今までの教師の立場に反する自分の行動に頬を染める
カガリはちょこんと座ると改めてラクスを見た



「なんでしょう?私が答えられる範囲でしたらいいのですが・・・・」



相変らずラクスは穏やかに微笑んだ



「ラクス先生は・・・・・兄と・・・・キラ・ヤマトと付き合ってるんですか?」



ラクスはまたもや目を丸くする
今日は朝からカガリに驚かされっぱなしだ



「カガリさんに質問されたからにはお答えせねばなりませんね そうです確かに私はキラとお付き合いしておりますわ」



ラクスは何時の間にか、カガリを先生付けで呼ばなくなっていた



「やっぱり・・・・じゃぁ私の事は・・・・」
「はい、キラからお伺いしておりました お名前が違うのご兄妹だとはまったく気がつかなかったのです」
「知ってたんだ・・・・・」
「お尋ねしようとは思っていたんですけど、何か事情がおありなのかと思いまして・・・・・」
「ああ、そうか」



困った顔をするラクスとは対称にカガリはポンと手を叩き納得する



「ちょっと待って、じゃぁアスラン・・・じゃないザラ先生との婚約破棄って・・・・」
「それでしたら2年前に解消済ですわね」
「そもそもどーしてキラと出会ったんだ?」



まだ事の糸口が掴めていないカガリは腕を組みながら頭を捻った



「キラとはアスランのお宅に偶然遊びにいらしていた時に出会いました」



ラクスは思い出に染まる頬を抑えながら感動していた



「そしてあの時、階段から落ちる私をキラが助けてくださったのです」



つまり一目惚れ・・・・・



あの甘スマイルに助けられちゃそうなるのは無理もない
ラクスも乙女なのだ



「ってことは、何?!それでラクス先生はキラと付き合い始めて・・・・・アスランとは婚約解消したの?!!」
「はいv」



極上スマイルがカガリを撃沈させた



わ、私のここ数日の気疲れっていったい・・・・・・・・
朝から酷く疲れた



カガリはノソノソと階段を降り教員室へと向かった



「おはよう、早いなカガリ」
ぽんっと肩に乗せられた彼の手
カガリは先週からの出来事を一気に思い出した



「お、おはようアスラン!!!」
「?」
「じゃぁな!!」
「おい?」



先生と呼ばずそのまま立ち去るカガリ
明らかに動揺している
素早くアスランを振り切って自分の席へと着席する



心臓が持たない
結局は自分一人が空回りしていて
なのに回りは全部わかっていて
それに自分の兄まで加わっていたとは・・・・・
なんだか情けないなぁ















「では朝のミーティングを行います先生方は前方に集まってください」



朝礼の始まりだ
愛用のノートとペンを持参してなるべく邪魔にならない場所に移動する



「おはよミリィ」
「おはようカガリ」
「フレイは?」
「今日はお休みだって」
「へ〜」



何で?って聞こうかと思ったけど、怒られるのもなんだから後で聞くことにした
教頭先生から今日の日程と新しい情報など入り次第伝えられる旨を事細かに聞き取りペンを走らせる
ノートから目線を上げれば、反対側にいるアスランと目が合った
偶然か、向こうも目が合うと同時に微かながら微笑む
誰も知らない秘密のやり取り
アスランにはいつもこうやってドキドキさせられる



ん?
まてよ、誤解が解けたらアスランなんて言っていた?
とりあえず整理しよう
アスランの婚約はすでに解消済みで
その元婚約者ラクスはキラと結ばれていて
そのアスランはというとフリーなわけで・・・・・
いや、彼女ぐらいいるだろ
自分とキスしたのに?
だって好きだとは言われていないし、付き合ってくれとも言われていない
が、キスは3回目だ
慣れたとは切ない言葉だが、嫌いな相手ではないから
むしろ好きな人としたのだから悔いはない
でもあの時の言葉は?










『本気だ』










信じてもいいの?
何度目だろう
そうやって自分を、彼に問うのは・・・・





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2012/02/12