honey



ここの家に来て数日が過ぎた
どうやら俺は死なずにすんだらしい
おかげさまで飯もきちんと食べさせてもらっているから感謝だ
ニールとライル、こいつらが俺とともに暮らしている
でも、どちらかというとニールの方が俺の面倒を見てくれている
ライルはタバコとかいうものを吸っているから煙たい



「刹那 どこにいった?」



刹那・・・それが俺の名前だ
ライルはへんてこな名前だと言ったが、
俺も気に言っているからまぁ、いいだろう



「ニャァ」



とりあえず呼ばれたので返事をしてみる
するとそこにはおもちゃを持ったニールの姿があった



「ほらほら、刹那 猫じゃらしだぞ〜」
「そんなんで遊ぶかね?」
「アホか 猫と言ったら猫じゃらしだろう」



そんな会話には目もくれず、うずうずとしっぽを振りだす刹那
パタパタと猫じゃらしを振っているニールに刹那は飛びついてしまった



「ニャッ ニャニャ!」
「ほれみろ」



なんだこれは
面白い、というか目の前の動く物体が生き物のように見えて・・・
本能的に俺を動かすではないか





目標を駆逐する!!





キラーンと刹那はスイッチが入ったように、しばらくの間、思い切りソレと戯れる事となる



「あはは、面白いなこいつ」
「反応が面白いほどわかりやすいな」















ピンポーン



「お、来たか?」



む、来客か
ひとしきり汗を流す刹那
夢中で遊んでいたその手を休める



「いらっしゃい」
「やぁ、お邪魔するよロックオン」
「本当に連れてきたのかよ」
「だって、ハレルヤの反応が見たくて・・・」
「ライル、コーヒー注いでやってくれ」
「あいよ」



連れてきた?
何をだ?



ふいに、視線を移す
ケースの中には何やらきらりと光る二つの目があるではないか
刹那は一瞬吃驚して、ニールの後ろに回り込む



「刹那 大丈夫だ、仲間だよ」
「驚かせちゃったね 本当に子猫さんだ かわいい」
「ニャーゥ」



そして、ケースの中から出てきたのは・・・・
茶トラで金色の鋭い目つきの猫だった
スルリと出てくるなり、伸びをして辺りを嗅ぎまわす



「なんだよ、またここか ったく、どこへ連れてきたのかと思えば・・・」
「・・・・・」
「あんだ、お前は 新入りか?乳臭せえな」
「誰だ」
「俺様はハレルヤ 見ての通り、アレルヤのとこで世話になってる」
「刹那だ」
「変な名前だな」
「勝手に付けられた」
「まぁ、お前の所じゃ仕方ねぇか・・・」



フン、と興味なさ気に返事を返される



なんだこいつは・・・・



「意外とおとなしいね 匂い嗅ぎ合ってたけど、挨拶はすんだのかな」
「俺、テッキリ ハレルヤがパンチでもくらわすのかと思った」
「おいおい、物騒なことは言うなよ 可愛い刹那にそんなことするわけがねぇ」



ふと見上げれば三人そろってこちらを見ているではないか



「おい、ハレルヤ」
「呼び捨てかよ お前、チビの癖に図々しいな・・・」
「この状況はどう打開したらいい」
「ほっとけよ いつもの事だ 俺らを試してるんだろ」
「そうなのか」



クァっと欠伸をすると、ハレルヤはゴロンと寝ころび寝てしまう



見捨てられた・・・・
俺も寝るか



そう思うと、ハレルヤの横に寄り添う形でウトウトし始める



「おお、兄弟みたいじゃんか」
「可愛いなぁ〜」
「にしても、ハレルヤ見ないうちにでかくなったな」
「でしょ 今年で二歳になるんだ」
「もうそんなに経つのか・・・俺の刹那もいつかはデカくなっちまうんだろうな」
「なんかお父さんモード入ってないか?」



どうやら箱入りに育てたいらしいが、はたしてその作戦は上手くいくかいかないか
それは刹那自身にかかっていた・・・・






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2012/01/29