酒は飲んでも飲まれるな
「チョリーッス!!!」
「「「・・・・・」」」
先程まで静かだったミーティングルームに陽気な一人の声が木霊する
全員が耳を疑った
そしてイルカショーのように全員が声の方向を向く
「刹那、今何て言った?」
「こいつ、酒くせえ!!」
「えええええっ」
「なんだと?!」
「なんすか?あ、今笑ったでしょ でしょでしょ」
「笑ってねぇよ!!誰だこいつに酒盛りしたのはっ」
はっと気がつく
酒盛り大好き人間がこのトレミーに乗っていることを・・・
「ミス・スメラギ!!」
「貴方という人は!!」
アレルヤとティエリアはものすごい勢いで彼女の部屋に押し掛ける
案の定、彼女も酔っ払っていた
「えええ?いいじゃないたまには 刹那だって成人したんだし」
「だからって無理やり飲ませる事はないでしょ」
「そうだ 彼は今までだってミルクで過ごしてきた人間だぞ」
「本人だって合意上よ」
またもや耳を疑う
「刹那が・・・・了承しただと??」
いったい何が起きたのだろう
「とりあえず、水飲め 水!!」
「了解ちょりーっす」
コップを受け取ると、ガバっと一気飲みをする刹那
ロックオンはダメだこりゃ、と言わんばかりにため息をつく
「水分をたくさん取り、もう休んだ方がいいだろう」
「そうだね 刹那ってばこんなにお酒に弱かったんだ・・・」
バタンとその場で倒れ、寝込んでしまった
「すまないな 昨日は迷惑をかけた・・・記憶が全然ないのだが」
気がつくと自身の部屋で寝ていたのだ
アレルヤに担がれ部屋まで運ばれたことは記憶にないらしい
ロックオンに先程会ったら、大丈夫かと声をかけられた
ついでに全員に謝っておけと言われたのだ
何のことかは分からないが、迷惑をかけたのには違いないと刹那は解釈した
「いや、気にしないで・・・というか、思い出さない方がいいと思うよ 僕も思い出したくないから・・・」
「・・・・・・そうか」
この差は一体何なんだろう・・・・
「刹那、日ごろから何か溜まったものがあるのなら話してほしい」
真剣なまなざしでティエリアが迫ってくる
なかなか迫力のあるものだ
「? そんなものはないが」
「そ、そうか」
ブツブツ独り言を言いながら頭を抱えている
どうかしたのだろうか?
しかし、これ以上の追及はアレルヤにも止められた
「用がないのなら俺はダブルオーのもとへ行く」
「いっちゃったよ」
「あれはいったい何なんだ」
「きっと本来の刹那なんじゃない?」
「そんなバカな話あるわけない・・・」
「イノベイターになるとみんな、ああなるの?」
「アレルヤ!万死に値する!!」
「ご、ごめんよっ」
次の日にやたらと優しいマイスターたちがいたとか、いないとか・・・・
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すみません、すみませ・・・笑
2012/02/03