君の残像が今も











「ここがお前の新しい場所だ」



刹那は淡々とライルに告げる



「んじゃ、部屋はここを使ってもいいってことだな」
「ああ」



ジッと見つめるその瞳は、なぜかどこか虚空を見ているようで



「刹那?」
「ああ、すまない 何でもない」



一言謝ると部屋から出て行った















「ニール・・・」



似ている
似過ぎていると思った
大好きだった人に



4年前、救えなかった自分



「もうそんなに経つんだな・・・」



もう、あの掌には触れられない
大好きだった彼の香りも、言葉すらも・・・



パイロットスーツからこぼれ出るチェーンの先を見つめる
地球にと同じ形をしていて、時折光に反射するとキラリと光る
それはお揃いにとニールから貰った最後の贈り物だった



「俺はお前の分まで・・・」



―――戦う
それが刹那の彼に送る最後の願い
ネックレスを握りしめ瞳を閉じる



「刹那、ここにいたんだね」
「アレルヤ」
「スメラギさんから召集だって」
「了解した」



地球が一望できるガラス越しのフロア
またここにいたんだ、というような顔をしながらも何も言わないアレルヤ
そんな彼の優しさに甘えていた自分がいた
刹那はアレルヤの後を追うようにその場を去る











「兄さんと刹那は・・・・」











そこに、ライルの姿が隠れるようにあっても、気がつく余地はなかった











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2012/01/25