あなたにおくるアイの歌
ああ、今日も無事に戦闘が終わった
「刹那」
「ロックオン・・・」
「いつもみたいに呼んでくれ」
「・・・ニール」
その返事の言葉の代わりに笑みをこぼす
「愛してるぜ」
「俺もだ」
たった一言だけ
それだけで十分だった
抱きしめられてる感覚が
身体中を駆け巡る
人を愛する事とはこれほどまでに儚いのだろう
もう貴方から愛されることも
必要とされることもない
そして私はこうして一人ぼっちで
あの時貴方はなんて言ったの?
届かない言葉は宙を舞う
わかってるのに今日もしてしまう
叶わぬ願い事を
「ずっと一緒にいられればいいな」
「いられるのか?」
「本人が望めばいられるさ」
「悪くないな」
離さないで
ぎゅっと手を握っていて
貴方と二人 続くと言って
繋いだその手は温かくて
優しかった
「目、大丈夫か?」
「ん〜まぁ、視界は遮られるけど大丈夫じゃないか?」
「そうか・・・」
「俺の目には刹那がちゃんと見えてるからな」
「馬鹿」
「ははっ ごめんごめん、刹那の知らない場所で怪我はできないな」
「心配したんだぞ」
「ああ、ありがとうな」
ポンポンと乗せられた大きな掌が好きだった
少し固い掌が・・・
貴方はいつもそうやって私を
怒らせて最後に泣かすんだ
だけど後になって
ごめんねっていうその顔
好きだった
「今度、そうだな 皆でバーベキューでもしに行くか」
「皆で?」
「ああ、浜辺でさ アレルヤとティエリアは料理担当 俺はお前の髪切り係だ」
「なんで髪切り・・・・」
「だいぶ伸びてきたからな」
サラリと髪をすく長い指先
温かくて優しい感じ
くすぐったく、身をよじる
この時が、
いつまでも続くと思った―――
離さないで
ぎゅっと そう思いっきり
あなたの腕の中にいたい
二人でおでこをあわせながら
眠るの
「ははっ、俺は何をやってるんだろうな・・・・」
―――刹那
ふとよぎる愛しい人の顔
もう二度と出会えない
『ロックオンっ!!』
彼を見つけた
見つけたのに、間に合わなかった
自分のせいだ
刹那はポロリと涙をこぼす
「よぉ・・・お前ら満足か?」
地球へのメッセージ
その言葉を残し、彼は宇宙へと消え去った
もう二度とは会えないことを
知ってたの?
離さないで
ぎゅっと 貴方が好き
もう一度だって笑ってくれないの
貴方の温もりが消えちゃう前に
抱きしめて
「愛してる、ニール」
もういない、愛しい人へ
刹那は一人呟いた
EGOIST様より歌詞をお借りしました。
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2012/01/24